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「繭玉」

 

遠い 陽光の国から
送られてきた サフランの香りのする
小箱のなかから 現れた
ひとつの繭玉

 

あたしの心は
その命を削りながら
小さな躯から愛を吐きだし
美しかれと言葉を形づくる

 

そう 書き綴る
きみの 宝物としてのひとつの繭玉

 

わたしは いつの日か
その繭玉を破り 羽ばたく
天使のような きみを 
この東の 陽いずる国
大和で ふと

 

訪れる冬の前に
思うのです・・・

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